2015年5月23日 土曜日 お知らせ, 化学に関連する話

タリウム?2005年にも女子生徒が事件起こしてたよネ?

こんちわ~^^ノ

犯行が明らかになってから大分経ちましたが、なんか、タリウム使った事件があったそうですねぇ

まあ、正確には用いたのは硝酸or硫酸タリウムでしょうケド...(- -;)

さてと...んで、タリウムってナニ?って話なんですが

元素として言うなら、元素番号81番・原子量204.4で、13族なんで原子価は3ってトコっスかね...あー、B(ホウ素)以外の13族は土類金属(鉱物中に含まれるからネ)って呼ばれるから土類金属の一種ってのもアリかね~

タリウムについて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語源は上の通りで、重金属ですネ

重金属ってーと、なんか有害なイメージがあるかと思いますが、コレも誤った情報伝達ですよねぇ

重金属ってのは比重が4~5以上の金属元素全般なんスよね

駄菓子菓子、金でも銀でも、銅でも鉛でも、亜鉛でもクロムでも重金属なんですが、金とか銀、パラジウムみたいな貴金属(precious metal)と、その他の卑金属(base metal)って細分化されますし(貴金属・卑金属の分け方は何通りかあるんスけど^^;)、どうも、危険なモノがよく取り上げられますねぇ

んで、タリウムはと言うと...まあ、危険性の高い重金属ですヨ^^b

化合物として、硫酸タリウムや硝酸タリウムは殺鼠剤として使われていましたし、酢酸タリウムなんかは、毛髪を形成するケラチンの生成を阻害する作用から、脱毛剤にもなっていたそうで...致死量1gのモノ使ってるんスけどネ;

「脱毛+タリウム」=「蒼ざめた馬」 となる人もいるカナ?

あ、アタシは「タリウム+事件」=「グレアム・ヤング」ってなる人ですヨ

んで、「蒼ざめた馬」は推理小説ですネ

ほら、阿笠博s アガサ・クリスティーのミステリー小説なんスけど、ガイシャの毛髪が抜けている描写なんかがありまして...ネタバレになるんで、あんま語らない方がいいですよネ?

まあ、タリウムってのは毒物として見ると優秀な(?)モノなんスよね

無味無臭で吸収されるのが早い上に、症状がゆっくり進行する...なんで、はたから見ると他の病気と誤認されやすいんスよねぇ

体内に吸収されたタリウムは全身の臓器に周って、体内のカリウムと置き換わって、酵素の活動やタンパクの合成を阻害してしまうので、毒性を発揮するんスけど...

その症状が紛らわしくて、嘔吐や頭痛、腹痛、筋肉痛に始まり、知覚・運動機能に障害が出て、けいれんや呼吸麻痺、昏倒といった具合に重症化して、他にも脱毛やら腎障害を引き起こすので、医者が判断を誤るケースがあるんスよね;;

青酸カリみたいにアーモンド臭もしなければ、テトロドトキシンみたいな即効性もない、ゆっくり衰弱するもんだから判別しづらい...

上記の症状で、前の方にある症状なんかは風邪や胃腸炎なんかと似ているし、重篤化しても、脳卒中とかてんかん...etc と間違えられやすいですネ

まあ、医者にせよ、患者にせよ、まさか毒を盛られてるとは思わないでしょうからね...

んで、今回の事件だと、被害者に視覚障害や運動機能低下、脱毛がみられたみたいっスから、重症化してる=タリウムが摂取されてから2~4週は適切な処置が取られなかったと考えられますネ

早期に毒物を疑っていれば、胃洗浄して胃の内容物を除去し、プルシアンブルーの投与によってタリウムとプルシンブルーを結合させるコトで吸収を抑制し、塩化カリウムを投与してタリウムの排出を促す...といった措置も取れて、重症化は避けられたハズなのに、残念でなりません...

前例もあるから残念なんスよね、題名に書いた事件(2005年に女子生徒が母親にタリウムを盛った事件)とか、前述のグレアム・ヤング(タリウムによって親族や会社の同僚を殺害した犯人)とか...

両名、ともに毒物・科学実験に異常な偏愛があったみたいですが(被害者の衰弱の様子を細かく記録していたり、アンチモンなどの毒物も所持していたりネ)、今回の事件で逮捕された少女は殺人衝動(行動か?)も含みますので、若干は毛色が違うと考えられますかネ

つか、せっかくの科学知識を悪用するなっての!

ゴルアァ (ノ`Д´)ノ彡┻━┻

 

あー、んで、コレで殺人が出来るか?ってコトなら、バレるから止め給えヨって言いますねぇ

死体あるトコロに完全犯罪は無いワケでして、重金属は体内に蓄積されて症状を表すので、尿検査したり、頭髪(人間は重金属を頭髪に溜めて、排出しようとするんだとか)を調べればすぐに解るのですヨ!

てーか、販売してる薬局とかがきっちり管理しろってーの(- -;)

本来なら未成年に販売しちゃイケナイし、そもそも、工業用・実験用以外に使わないんだから、個人所有を禁止して、会社・団体にしか販売出来ないようにすりゃあいいのにサ!

(...グレアム・ヤングは一回目に逮捕されてからの出所後、写真のレンズ製造にタリウムが用いられるのを知っていたから、そーゆートコに就職してまーた事件を起こしたんスから、科学犯罪に関しては、出所後の管理も重要でしょうケド)

因みに、有名な毒物であるテトロドトキシンなんかは、ナトリウムチャンネルに結合して遮断、神経伝達を阻害するので、摂取後すぐに呼吸困難なんかの症状が出ますヨ

他にも、トリカブトに含まれるアコニチンになると、反対にナトリウムチャンネルを開きっぱなしにしてナトリウムイオンを流出させ続け、結果、アセチルコリン(神経伝達物質)が放出されないので電気信号が正常に送られない状態になって、けいれん・嘔吐・血圧低下・呼吸麻痺を引き起こしますネ

あ、上記2つは「神経毒」で即効性(神経毒の多くは即効性ですネ)ですが、話にあげたタリウムや、カドミウムなんかは「細胞毒」(神経毒、細胞毒、血液毒は毒の作用による分類なんで、一般には「動物毒・植物毒」とか「鉱物毒」のがいいカモ)ですヨ

「鉱物毒」ってーと、メチル水銀による水俣病とか、カドミウムによるイタイイタイ病だネ

毒の分類

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の図は、まあ...流して読んで下さいな^^;

 割と有名ドコを列挙したつもりですが、微生物毒は菌の名前を言った方が判るカナ?

「アフラトキシン=アスペルギルス・フラブス」(イギリスに於ける七面鳥大量死の原因で、豆類に発生するカビ)

学名の Aspergillus  flavus の頭文字から、アフラトキシン...アフラ・マズダとかアンリ・マユ(ゾロアスター教)は関係ないゾ!

それと、flavusは黄色・金色の意味だあね

「ボツリヌストキシン=ボツリヌス菌」(botulus=腸詰っていうラテン語から判る通り、ハムやソーセージで食中毒を引き起こす菌っスね)

いや、日本だとカラシレンコンで有名になったか...嫌気性菌なんで、酸素が無い状態になると増殖するワケで...

尚、乳幼児にハチミツを食べさせてはイケナイ理由もコイツだゾ!

成人は大丈夫なんスけど、ハチミツにはボツリヌス菌が高確率でいるので、腸内細菌が未熟な幼児に食べさせると、食中毒になってしまうんスよね~

あ、美容関係で聞くボトックスや、筋肉を弛緩させる医薬品には、無害化したボツリヌストキシンが使われてますヨ

「テタヌストキシン=破傷風菌」(テタヌスが破傷風=筋肉の痙攣とかのコトで、土壌中に偏在する菌ですネ)

ほら、一昔かもっと前に、公園の砂場を「汚物は消毒だー!」みたく滅菌してたでしょ?

あのアホ行動は、破傷風菌に対するホロコーストだったんスよね^^;

ま、熱に強い菌だから、撒くなら弱点のホルムアルデヒドだけど、表面に散布する位じゃ死なないしねぇ

ビビリ過ぎも考えモノってゆーか、いまだにCMでまな板なんかの菌を繁殖させるヤツがあるし(笑)

ぶっちゃけてしまうと、実験用のクリーンベンチ内(菌体の培養とかで使用する、中をほぼ無菌状態にするブース)ですら、下手な内は空気中の菌の入り込みがあるんだから、室内でただシャーレを押し付けるなんてしたら、空気中の菌が大量に培養されるってーの ┐(´д`)┌

 

えーと...話を戻して、破傷風菌は神経を逆行する性質がありまして、進行速度は75mm/dayとかゆっくりなんですが、血清やワクチンはありますヨ

ただし、感染後に血清が効くのは、毒素が脊髄の神経細胞に到達するまでですネ

ま、怖けりゃ、ワクチンを予防接種しとけって話ですヨ!

 

あぁ、毒の話になると熱くなってイケナイなぁ...最早、タリウム関係ないし(笑)

てなコトで、今日はこんなトコにして、またね~ ^^ノシ です

 

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