ん、こんちわですノ
山積みだった仕事がようやく進んで来た感じですケド…やつぱし暑くてかんね
話したい事は山ほどあるケド、色々やってると時間が無くて困るヨ(´・ω・`)
てか、今年も異常な暑さでイチゴには良くない気象条件が続いてるし、病気やら生理障害が心配ですネ
まぁ、病気は風通しでリスク軽減出来るんだけどナ;
(上)理想的な管理状態
(下)ほっとくとこんな状態
下の状態が続くと株同士の間で蒸れるんで、炭疽なんかの危険が増すのは必定ダネ
この状態ならともかく、場合によっては薬を撒いても新葉に届かない可能性があるしナ
つー訳で、少しそこら辺について話そうかねぇ
丁度気になった症例があったから調べてたんだよネ
はい、これは何でしょーか?
親株・子株共に葉が矮化・黄変、葉縁には葉焼け症状も見られるねぇ
因みに…上の写真左側はこの症状が出てるケド、右側の株は普通の健全株ダヨ
隣近所の株に感染してるワケじゃなく、苗場内でちょこちょことバラけて出てる
ついでに、発症株を揺すって見ると他のよりグラグラする
発生のタイミングは複数回…GW明けからの太いランナーが多く伸び出す時期と、梅雨が明けて晴天・高温続きになる時期
病気かな?害虫かも?いや生理障害か?それとも遺伝的要因?
ま、これだけじゃ判別出来んかもね
より軽い症状だとこんな状態
一回矮化した後に3~4週間かけて展開した新葉…ここまで来ると推測し易いカナ?
自然にここまで回復するって点でネ
さて…それじゃあ、この症例で推測される原因とかを説明しようかね
先ずは病気の可能性
葉の黄化や矮化症状を呈する病気ってーと、萎黄病とかウイルス病だぁね
ここら辺は疑って当然だし、こういった症状を見たら隔離・処分の上で様子見が普通ダネ
ま、今回は違うケド(笑)
イチゴの萎黄病なら3枚ある小葉の内1枚が矮化すんのが特徴だからそれでも判るし、土壌伝染だから圃場に点々と出るより発症株周辺に偏る筈だぁね
ついでに萎黄病についてだけど、クラウン部を輪切りにすれば判別可能
こんな感じにネ
この時点で導管部分が褐変してる様なら萎黄病と思っていいナ
コイツは土壌伝染性の病気だから、植わってる土ごと捨てて、プランターなんかの資材を全部消毒すんのが肝要
土壌中で生存してるんだから、農薬での土壌消毒しないorやり方が不十分だったりすれば、毎年出るのは当然だぁね
…まぁ、アタシの所属してる部会で対策してんのに毎年出てる人はいるケド
土壌伝染性病害だからなぁ…ハウス内だけ薬を撒いても、圃場周辺の土に残存してるんだろうねぇ
豚コレラだか豚熱やらもそうなんだけど、靴底に付いた土からでも伝染するんだから大変ダヨ
一度出ると根絶が十年単位ってのも同じなのかも知れんねぇ…怖い怖い;
後はウイルス病についてか…ま、アレはそもそも治らんから絶対違うナ
症状としては葉っぱの矮化・黄変・捻じれとかダネ
イチゴに感染するウイルスは4種類あるケド、その内2種類が同一株に感染するとウイルス病が発症する…という風にイチゴ農家なら聞いている筈ダネ
実際んトコ、出た時は媒介昆虫が2回以上発生した後に発症しているし、複数のウイルスが関係していると思うヨ
このウイルスを媒介する昆虫はアブラムシで、種類毎に保有するウイルスが違ったりする
(っても、4種類とも媒介するアブラムシもいるから1種類いたら危険なんだけどナ)
特徴としてはこんなトコかねぇ…
イチゴのウイルス病は予防薬・治療薬が共に無いし、発症したらランナーの先まで伝染するのが厄介ダネ
出たら株ごと捨てるしかないのはホント辛いヨ
まぁ、アブラムシを徹底防除すれば感染しないから、上手に農薬散布するのが一番良いかね
今年はそれが上手くいったのか、ウイルス病は出てないからネ
ほんじゃ、害虫の線はどうだろうか?
まぁ…何の虫でもこうはならんよね^^;
考えられるのはコガネムシの幼虫やキノコバエの幼虫による食害…からの根痛み
と言いたいトコだけど、コイツ等に食われると根元が赤黒く変色して枯死する事が殆どだからネ
こんな風にね、慣れない内は炭疽病かとマジでビビる
根っこは張ってたケド、整理してみたらこんな感じ
根元を食われて成長が出来なくなっていた模様…多分キノコバエの幼虫
個人的には一番嫌いな害虫…土にいるから農薬が効かないし、そもそも登録があるの少ないし(ネオニコ系位)、土ごと入れ替えないといなくならんしナ
んで、以前からイチゴの部会で疑われてたのは遺伝的要因
キメラとか言われてるんだけど、これは遺伝的な奇形を指すネ
苗センターから購入した親苗から出てる事からそういう疑いがあったケド、アタシは的外れだと考えているヨ
つーのも…この奇形症状、ランナーを通じての伝染性が完全じゃないのよね(´・ω・`)
アタシんとこは苗を280株購入してから、それを420株程度に増殖して親株にしてんだけど…
その増殖で殖やした株と増殖のベースになった株はランナーで繋がっていたのに、奇形が片一方にしか出ないケースが往々にしてあるからナ
遺伝的な奇形なら双方奇形が出る筈だし、コレは考えられないと思う訳ダヨ
更に言えば、発症時期に再現性があるのも遺伝的要因では説明し辛い
と言う事で、この症状についてのアタシの見解は…生理障害と見ているヨ
細かく言えば、根痛みによる栄養吸収の不足を主因とする微量要素欠乏症
…葉っぱを見た感じ、ホウ素やカルシウムとか複数の欠乏症の併発かね
ま、そう考える理由としては…
1:現れる症状にバラツキがある→微量要素欠乏の程度によるものと推測
2:時期に再現性が見られる→急激に吸水量が増える時期に頻発している事から根痛みが誘発されたと思われる
3:隣接する株で発症するのでも蒸れる時期に出やすいのでもない→土壌伝染性・水媒介の病気である可能性は極めて低いと考えられる
4:時間はかかるが親株~子株の順で回復する→ウイルス・遺伝による奇形ならば回復はしないので可能性から排除
5:発症した株全てでグラつきが確認されるが虫はいない→根が傷んでおり発根が十分でないと判断できる
ん~、取りあえずこんなもんだぁね
順繰りに原因になりそうな病気とかをクリアリングしていった結果として、ただ単に微量要素が欠乏していたものとアタシは考えているヨ
まー…個人的には自信があるものの、実際んトコどーなのかは知らんケド(笑)
てか、ここら辺の栄養…元素は実に面白いネ
欠乏症もあれば過剰症も出るし、土壌酸性度・気象条件によっても吸収能に違いが見られる
イチゴの栽培に基本骨子はあっても、毎年同じ栽培法で良い筈が無いのダヨ
ほぼ毎日イチゴの様子を見て状態を考える、それが嫌ならイチゴなんか作るんじゃねぇ…とアタシは思うナ
んー…必須元素や微量要素については時間掛かるし、今回は置いとくか^^;
ほんじゃ、今日はこんくらいで失礼ノシ